「特開2045−34987」 written by eConomy up 3.June.2009
「特開2045−34987」 written by eConomy
(物語1 2045年夏)
世界の経済的成長は2015年からの一経済大国衰退によって止まり、蔓延的不景気の様相が好転する兆しはなかった。
基礎通貨はEUの規模拡大により、2020年にドルからユーロに変わっている。
また、一時は頓挫すると思われた中国の台頭は地域別国家の集合体に国を再構築することで、幾つかの困難と混乱を振り切った。
中国の連邦政府はその後、少しの平等感覚で富を分配する事によって際どい綱渡りながらも世界1位の人口を背景にGDPの増加、基礎科学力の向上、海上・中央アジアの油田を確保しつつ、1国としては世界最大のマーケットを20年以上維持し続けている。
一方、USAの凋落は目を背けなくなるほどの惨憺たるものであった。
現在(2044年冬)の人口は約5千万ほどまで落ち込んでいる。
その理由の大きなものは日本・EUの有力諸国が移住を自由としたことである。
2015年の段階で国民の個人経済格差が日本の10倍以上もあったUSAの人々の敵対心はほぼ内戦と言える状況になる。
2018年から2020年の約3年はこのため世界が大混乱に陥ったときであり、USA国内ではこの時期を第二次南北戦争と呼び、世界的にはUSA解放運動・事変と呼ばれている。
その結果、突出した軍事技術をもつ世界の「デキモノ」の様な国が出来上がった。
また、金融工学が生み出す架空の金はこの混乱の中で通用しないものとなり、軒並みアラブ各国は「実質」を生み出す国々にその富を手渡さなければいけない状況になる。
石油はもはや、エンジンを動かす主動力ではなくなっていた。
そんな時が2020年である。
日本は当時、少子化と幾らかの「実質を生み出す力」によっての好景気で「人手」が足らなくなっていた。
そのため、「日本活性化移民計画」なる極めて、当時の内閣が考えそうな短刀直入な言い回しの政策を実行に移す。
一種の差別政策で間違いない。
この当時、著しい減退が見えていたUSAに換わり、自由主義社会の盟主はドイツ・イギリス・フランス、そして日本を加えた4国の手に分散されている。
(USAは当然、総合的科学力で抜けた存在ではあったが、政情が不安定で経済の右下がり、毎年マイナス数十%を止めることが出来ず、カナダ・メキシコを含めて、その経済圏としては、既にアジアの1国中国を下回っている。)
理由は化石燃料の価値が一変し、動力源を他に求めた資源を持たない先進諸国中、経済規模の大きい国に分散されたためである。
もしかしたら、この移民政策が今の日本を含む人間世界の新しい形を造ったのかもしれない。
日本政府は1500万人の労働者の移民を許可する。
これにより、選挙権が移住民に与えられた場合の危惧で当時の政府は拒んだが2大政党制となり、政策の色は薄く、どちらが政権を持っても大した違いがない経済団体は医療団体、巨大宗教法人もバックに加え、強引にこの政策を政府に受け入れさせた。
経済団体(日本を牛耳る意思)が他を同意させた表文句は「顧客」の増大だったが、単にそれだけだったか・・・。
下が、その移住政策の骨子。付加は多すぎて書ききれない。
大きな内容を纏めると、
「日本国への移民は労働をなすもの、思想・信条において日本国民たる一定の条件を満たすものに許可する。妻帯者はその妻、及び子にも許可する。単身者(男性・女性問わないが、男性35歳以下、女性30歳以下とし、移住後、日本語習得が容易に果せるもの)は優遇し移民権を与える。日本において納税を3ヶ月し事業者の許可書を役所に届け出たものが国籍を有することができ、その他は
日本国憲法以下にある法により、不法入国者扱いとし、国外退去等を求める。」
文章に幾つもの気味の悪い曖昧さがある。
例えば、「日本国民の一定の条件」「男女単身者の年齢制限」「国外退去等」、全てが官報に記載されている内容で明快以外は許されないが、意図的な官僚によって「わかりにくい」表現に記されたのが事実であろう。
移民の年齢制限は少子化対策のためとされ、まったく例外は許されない。事業所が許可を与えるものは盲目的に労働力を与えるものか、何がしら秀でた能力を有するもので、その割合は20:1。
後者は高い収入を得る富俗層となり、その10倍の人達は単純労働力とされた。
いずれにも属さない人が、計画の1500万人から実際移住者の約1000万のその50%にあたる500万に上る。
日本において失業者とならざる得ない500万人には2年間のビザと他国への再度の移住処置、そして強制国外退去が行われたが約200万人は結局、日本の中に残された。
その後、約25年が経過する2045年。つまり、今である。太平洋戦争終戦から100年後に日本は大きく変ろうしていた。
日本国憲法は対外向けに100年の間、まだ何の手も付けられてはいない。
しかし、多くの移住民を抱えた日本では幾つかの人権問題に司法が判断を下しつつ、民法を筆頭とする実体法は幾つも変更が行われ続けた。
憲法の精神は遥か昔に終わったとも言える。
日本国民全てが「文化的生活」を送る事など到底、困難な時代。
様々な自由は制約を受け、国民の義務である「税」を納めるものが日本国民であり、「それ以外のもの、だったもの」は文化的生活を送る資格を有しない。ただ、生命の保証のみがある。
大量移民から約25年。年金から端を発した問題は税におよび、移住者及びその子孫、約300万人の日本国民としての地位を最高裁判決は取りあげた。
小難しい言葉は書かないが、原告側の主張は「棄却」のみで葬り去られる。
単純労働力は全てと言って良いほど、今はロボットが行っていた。
労働力の結集を叫ぶ事はネット、双方向TVなどで自由ではあるが、人間が生き続ける方法は日本国中に網羅しており、「刺激的」以外を除けば、生き延びられる現状がある中、人は上を望まず、従って「集結」はない。
日本国中は無菌化され、バイオ医学の発達により一細胞により、人間が生まれる時代である。
そして、人間の死因は事故と老衰くらいしかなくなっていた。
政府が下した最終結論は日本人である条件は20年以上の日本への居住者及びその子孫。これには住民票さえあれば良い。
この内容が最高裁判決に不満を持つ「日本国民」の大多数元移民救済を行い、その不満を爆発させなかった。
もうすぐ始まる富の再分配が始まる手前の事、この救済は政治的には極めて当然で、日本は数百万の暴動に耐える力は有していない。
その富の裏づけは「国債」であった。
国債は債務である。
国の資産、金保有量、実際経済規模等によって、USA騒動が片付いた時、国際金融を安定させるため、国債発行の禁止及び他国にある国債を全て買い取る取り決めが国際連合で可決された。
それにより、1国内における有価証券の売買も禁止され、世界(単位)の株式市場が生まれ、その銘柄は国(名)しかない。
マイナスを背負った国は全てのマイナスが帳消し(債務凍結条約)とされ、日本同等の科学的処置により無菌化され、どのような国・地域でも、草木が生える環境さえあれば餓えは消え、病を消し去る魅力、国(地域)として独立の尊厳が保障される「制度」に、調印しない国はなかった。
そして、すぐさま小国は小型のEU類似をそれぞれ作り、経済規模を大きくすることで発言力を大きくしようと試み始める。
自国で全てを債務を「完済」した国は「株式市場」に上場でき、出来なかった国は5年の観察期間を設けることで、国としての信用はほぼ0に近い。
しかし、それ以外はまったく差別無く、国連での1票を投じることが可能であった。
新たに他国の株(国債に非常に近いが・・・。)を購入するのは国家レベルの意思が必要とされ、基本的に自由ではない。
また、世界的軍事、経済を司る国連が介入可能なため、不当目的での購入は禁止とされる。
国レベルの取引は新たな産業の牽引する国に投資されたり、近く株式市場に上がる、現状において元負債国の復興に期待した購入などで、いずれにしても莫大な金であり、個人・企業レベルでは不能である。(実際には可能であったが企業は国の株を買えない。)
当然、一般企業が大きくなり、他を圧倒し世界的に名乗りを上げる仕組みは残っているが、それは国の価値を上げることに繋がり、1国家が相当の「枠」を設け、資金面において後ろから支える。
国は企業経営にはまったく関与しない事は当然とし、破綻は防ぐ必要があるため、株式に換わる予算枠の拡張・縮小で対応し、成功報酬は国益貢献度に応じ分配され、資本主義社会継承も問題はないと言える。
つまり、世界の価格は固定され国の価格は変動する決められた枠中での変化が毎日起こる仕組みが作られた。
並列スーパーコンピューターが10台用意され、その合議制で世界経済安定がコントロールされている。
USAは内戦とも言える状態だったため、国債を乱発し、しぶしぶドル建てで買い取った日本、EU諸国のUSA国債は先の条約により国債は買い戻され、2022年後半にはそれぞれの現状国力が判明する。
USAは国債買取で他国のものを総ざらいしても、追いつかない状況だったが、金融の拠点を150年以上勤めた底力で全て清算できた。
日本の国債は国民全てに均等に分配される。
基本的には国の借金であるが、日本が信用を世界に持つ限り、それは正に「有価証券」。
・・・金に等しい。
既に国債新規発行は国会が停止させ、総額として3000兆円規模が日本国債の国際査定価格である。銀行は国債をいつでも金に代える機能が持たされ、日本は安定を得、国際社会の優等生として、また船出した。
すなわち、日本の価値は実質3000兆円であり、実際市場評価は国情によるため、その倍程度だった。
全ての国に価格が付いている。
日本は世界2位の価格であるが、1位の国から5位程度にはさほどの差はない。(実際市場評価の順はその価格に多少の変動は当然あったが・・・。)
ちなみに中国は5000兆円で1位。EUが総額で日本の10倍程度。
その中でドイツとイギリスは2500兆円で3位を分け合っている。ちなみにUSAは1500兆円、 カナダとメキシコは800兆円である。
総額約50,000兆円が世界の価値であり、これにもう変動はなく、この中でそれぞれの国は「国力」が倍になれば、その分失う国ができる。
戦争、暴動等は国際連合の軍隊が対応し、この拠出は人間一人当たり年間200円程度で当然、人口が多い国が最も支払い、USA、中国、ロシア、EU、そして日本の最先端の武器・技術を購入する。
その武器は確実に1人、或いは面積レベルで完全に人を抹殺するものである。
このため、USAは金の回収ができ、中国・ロシアなども出す分のみは帰ってくる仕組みになっていた。
地震・他の自然災害には国際連合が国の単位で危険度に応じた内容の保険に換わるものを作ったため、これも解決した。
この時期、科学技術は、ある意味、人間の欲求を全て達成した感がある。
つまり、世界を網羅できるレベルで一定以下の貧困を無くし、全人類の食料や水は他から合成できるまでとなり、その供給方法も確立していた。
牛・豚・鶏のように当然、人間のクローンも作ることも可能である。
クローンを作ることができるのは日本においては保険証所有の日本人に限られていた。
クローンは擬似人が法的立場であって、「人」とは分けられている。
この制度は様々な分野に影響を与えていく。
当然であろう。クローンには食料を要し、意志がある。
現在、日本人の資格を有するものはこの国の人口1億5千万ほどの30%しかいない。3000兆円はこの30%、5千万人が牛耳った。
一人頭、1億5千万円ほどとなる。物価の変動はほぼないため、この金額は100年前と大体同じと考えて良い。
加えれば、先の国際連合への拠出・保険は全て彼らが支払うが年間1,000円ほどの微額であり、税も彼らのみの義務であるが年間10万ほど。
後は企業などの法人が支払う。
それでも国庫には毎年約200兆円ほどが入り、医療と言う面で金がほぼ金が掛からなくなった国は投資も十分可能であり、満たされた国民が再び、銀行に戻した1000兆以上は緊急時、国自体が使用可能であった。
後の70%はクローン、そして、上記の資格すら持てなかった極貧のものでまともな教育も受けれなかった人達である。
ただし、これらのもの達も衣食住には問題はない。そして「自由」はあった。
クローンの95%までが所謂「女性」である。理由は簡単と言えた。
血が混じり、混血化した「日本人女性」は世界中で最も美しいとされ、評価は韓国共々、3位がないほど「圧倒的人気」がある。
クローンにも富とまでは言えない金を得る方法は幾らでも存在する。例えば、タレント、モデルなどが人気トップ。
ホステスなどの商売もあるにはあるが、「売春」は重罪であって表向き存在しない。
また、海外への渡航も自由だが、国籍がないため各国の保護が受けられず、無事帰ってくることはその20%に満たない。
後の80%は行方知れずとなり、自然、一定の生活があるそれぞれの国から出ようとするものは年々少なくなった。
どの国でも共通であり、次第にクローンの海外への渡航は減少する。
女性の細胞からは女性のクローンしか作れず、それは男性も同様である。そして、分娩を要しない代わりに約12歳以上の年齢から呼吸を覚える目的で自然界に出される。
(12歳の年齢に要する培養時間は約3週間ほどに調整され、細胞の添加で言語は固体差によるが多少話せ、文字を書く能力も備える。ただし、細胞の分け与えた人間の意識は当然、消し去られた。また、自然界へ出される年齢の上限は最大35歳までは認められてはいる。その場合、知識はほぼ成人女性のものと言えたが、意識の中に細胞の持ち主のものはやはり含まれない。そして、理由を要する・・・。)
そのため、実際に分娩から生まれる日本人は圧倒的に生きやすい女性が選らばれた。
限られた女性の1細胞は何もしないで一生分の金になる時も多くある。
性の産み分けは当然可能であって、現状で日本国民の男性と女性の比率は1:30程度でこれも他の国においても変わらない。
時間を得た結果だったが、クローン女性の集団的反抗は極めて少ないため各国は容認し、クローンから選挙権から奪う内容とクローンを人とし認め、虐待的行為は犯罪とし刑事事件で立件できる七色の国際条約が締結されたが、当然、全ては文化の表向きであり、裏は幾らでも存在する。
クローンの男性は極めて少ない。人口(と言えるか。)の1000分の1以下。
彼らにはクローン通し、或いは人とのSEXは認められていない。
これを行ったクローンは20年以上の懲役が科せられる。
日本人がクローンとの性行為を行った場合はその国籍を剥奪された。
つまり重罪だが、これが高値の商売になるのは裏の世界では当然である。
ただし、彼らにはそれ以上の快楽を得ることが可能なバーチャルなSEXはいつでも可能であった。
これも彼らのみの「特権」であり、それぞれがそれぞれの「特権」を有することで全ての意志あるものの均衡は保たれている。
世界中で最も多いクローン女性については多くを書かなくてはいけない。
全てが美しい。しかも似ている。彼女らが街を華やかにする。
しかし、一定年齢を超えたものは見つけられない。
彼女らの受ける日本での教育は「美しい」のみが価値がある事であり、それ以外は国語、数学などはない。
国際条約は機能しているが、自然界で40を超えると自ら、日本のクローン女性は政府指定の日本の2州へ行く。
その2州のみ、彼女らを絶対的に保護する場所であり、老衰まで生き抜くことができる。
何故か、女性のバーチャルな性のケアについては開発できないでいた。
現在の謎でもあったが、女性自体がそういう事から意識が遠ざかってしまうのも40の頃から始まるため「神の摂理」と言われている。
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「特開2045-34987」 written by economy
(物語1 2045年夏 後編)
その富の裏づけは「国債」であった。
国債は債務である。
国の資産、金保有量、実際経済規模等によって、USA騒動が片付いた時、国際金融を安定させるため、国債発行の禁止及び他国にある国債を全て買い取る取り決めが国際連合で可決された。
それにより、1国内における有価証券の売買も禁止され、世界(単位)の株式市場が生まれ、その銘柄は国(名)しかない。
マイナスを背負った国は全てのマイナスが帳消し(債務凍結条約)とされ、日本同等の科学的処置により無菌化され、どのような国・地域でも、草木が生える環境さえあれば餓えは消え、病を消し去る魅力、国(地域)として独立の尊厳が保障される「制度」に、調印しない国はなかった。
そして、すぐさま小国は小型のEU類似をそれぞれ作り、経済規模を大きくすることで発言力を大きくしようと試み始める。
自国で全てを債務を「完済」した国は「株式市場」に上場でき、出来なかった国は5年の観察期間を設けることで、国としての信用はほぼ0に近い。
しかし、それ以外はまったく差別無く、国連での1票を投じることが可能であった。
新たに他国の株(国債に非常に近いが・・・。)を購入するのは国家レベルの意思が必要とされ、基本的に自由ではない。
また、世界的軍事、経済を司る国連が介入可能なため、不当目的での購入は禁止とされる。
国レベルの取引は新たな産業の牽引する国に投資されたり、近く株式市場に上がる、現状において元負債国の復興に期待した購入などで、いずれにしても莫大な金であり、個人・企業レベルでは不能である。(実際には可能であったが企業は国の株を買えない。)
当然、一般企業が大きくなり、他を圧倒し世界的に名乗りを上げる仕組みは残っているが、それは国の価値を上げることに繋がり、1国家が相当の「枠」を設け、資金面において後ろから支える。
国は企業経営にはまったく関与しない事は当然とし、破綻は防ぐ必要があるため、株式に換わる予算枠の拡張・縮小で対応し、成功報酬は国益貢献度に応じ分配され、資本主義社会継承も問題はないと言える。
つまり、世界の価格は固定され国の価格は変動する決められた枠中での変化が毎日起こる仕組みが作られた。
並列スーパーコンピューターが10台用意され、その合議制で世界経済安定がコントロールされている。
USAは内戦とも言える状態だったため、国債を乱発し、しぶしぶドル建てで買い取った日本、EU諸国のUSA国債は先の条約により国債は買い戻され、2022年後半にはそれぞれの現状国力が判明する。
USAは国債買取で他国のものを総ざらいしても、追いつかない状況だったが、金融の拠点を150年以上勤めた底力で全て清算できた。
日本の国債は国民全てに均等に分配される。
基本的には国の借金であるが、日本が信用を世界に持つ限り、それは正に「有価証券」。
・・・金に等しい。
既に国債新規発行は国会が停止させ、総額として3000兆円規模が日本国債の国際査定価格である。銀行は国債をいつでも金に代える機能が持たされ、日本は安定を得、国際社会の優等生として、また船出した。
すなわち、日本の価値は実質3000兆円であり、実際市場評価は国情によるため、その倍程度だった。
全ての国に価格が付いている。
日本は世界2位の価格であるが、1位の国から5位程度にはさほどの差はない。(実際市場評価の順はその価格に多少の変動は当然あったが・・・。)
ちなみに中国は5000兆円で1位。EUが総額で日本の10倍程度。
その中でドイツとイギリスは2500兆円で3位を分け合っている。ちなみにUSAは1500兆円、 カナダとメキシコは800兆円である。
総額約50,000兆円が世界の価値であり、これにもう変動はなく、この中でそれぞれの国は「国力」が倍になれば、その分失う国ができる。
戦争、暴動等は国際連合の軍隊が対応し、この拠出は人間一人当たり年間200円程度で当然、人口が多い国が最も支払い、USA、中国、ロシア、EU、そして日本の最先端の武器・技術を購入する。
その武器は確実に1人、或いは面積レベルで完全に人を抹殺するものである。
このため、USAは金の回収ができ、中国・ロシアなども出す分のみは帰ってくる仕組みになっていた。
地震・他の自然災害には国際連合が国の単位で危険度に応じた内容の保険に換わるものを作ったため、これも解決した。
この時期、科学技術は、ある意味、人間の欲求を全て達成した感がある。
つまり、世界を網羅できるレベルで一定以下の貧困を無くし、全人類の食料や水は他から合成できるまでとなり、その供給方法も確立していた。
牛・豚・鶏のように当然、人間のクローンも作ることも可能である。
クローンを作ることができるのは日本においては保険証所有の日本人に限られていた。
クローンは擬似人が法的立場であって、「人」とは分けられている。
この制度は様々な分野に影響を与えていく。
当然であろう。クローンには食料を要し、意志がある。
現在、日本人の資格を有するものはこの国の人口1億5千万ほどの30%しかいない。3000兆円はこの30%、5千万人が牛耳った。
一人頭、1億5千万円ほどとなる。物価の変動はほぼないため、この金額は100年前と大体同じと考えて良い。
加えれば、先の国際連合への拠出・保険は全て彼らが支払うが年間1,000円ほどの微額であり、税も彼らのみの義務であるが年間10万ほど。
後は企業などの法人が支払う。
それでも国庫には毎年約200兆円ほどが入り、医療と言う面で金がほぼ金が掛からなくなった国は投資も十分可能であり、満たされた国民が再び、銀行に戻した1000兆以上は緊急時、国自体が使用可能であった。
後の70%はクローン、そして、上記の資格すら持てなかった極貧のものでまともな教育も受けれなかった人達である。
ただし、これらのもの達も衣食住には問題はない。そして「自由」はあった。
クローンの95%までが所謂「女性」である。理由は簡単と言えた。
血が混じり、混血化した「日本人女性」は世界中で最も美しいとされ、評価は韓国共々、3位がないほど「圧倒的人気」がある。
クローンにも富とまでは言えない金を得る方法は幾らでも存在する。例えば、タレント、モデルなどが人気トップ。
ホステスなどの商売もあるにはあるが、「売春」は重罪であって表向き存在しない。
また、海外への渡航も自由だが、国籍がないため各国の保護が受けられず、無事帰ってくることはその20%に満たない。
後の80%は行方知れずとなり、自然、一定の生活があるそれぞれの国から出ようとするものは年々少なくなった。
どの国でも共通であり、次第にクローンの海外への渡航は減少する。
女性の細胞からは女性のクローンしか作れず、それは男性も同様である。そして、分娩を要しない代わりに約12歳以上の年齢から呼吸を覚える目的で自然界に出される。
(12歳の年齢に要する培養時間は約3週間ほどに調整され、細胞の添加で言語は固体差によるが多少話せ、文字を書く能力も備える。ただし、細胞の分け与えた人間の意識は当然、消し去られた。また、自然界へ出される年齢の上限は最大35歳までは認められてはいる。その場合、知識はほぼ成人女性のものと言えたが、意識の中に細胞の持ち主のものはやはり含まれない。そして、理由を要する・・・。)
そのため、実際に分娩から生まれる日本人は圧倒的に生きやすい女性が選らばれた。
限られた女性の1細胞は何もしないで一生分の金になる時も多くある。
性の産み分けは当然可能であって、現状で日本国民の男性と女性の比率は1:30程度でこれも他の国においても変わらない。
時間を得た結果だったが、クローン女性の集団的反抗は極めて少ないため各国は容認し、クローンから選挙権から奪う内容とクローンを人とし認め、虐待的行為は犯罪とし刑事事件で立件できる七色の国際条約が締結されたが、当然、全ては文化の表向きであり、裏は幾らでも存在する。
クローンの男性は極めて少ない。人口(と言えるか。)の1000分の1以下。
彼らにはクローン通し、或いは人とのSEXは認められていない。
これを行ったクローンは20年以上の懲役が科せられる。
日本人がクローンとの性行為を行った場合はその国籍を剥奪された。
つまり重罪だが、これが高値の商売になるのは裏の世界では当然である。
ただし、彼らにはそれ以上の快楽を得ることが可能なバーチャルなSEXはいつでも可能であった。
これも彼らのみの「特権」であり、それぞれがそれぞれの「特権」を有することで全ての意志あるものの均衡は保たれている。
世界中で最も多いクローン女性については多くを書かなくてはいけない。
全てが美しい。しかも似ている。彼女らが街を華やかにする。
しかし、一定年齢を超えたものは見つけられない。
彼女らの受ける日本での教育は「美しい」のみが価値がある事であり、それ以外は国語、数学などはない。
国際条約は機能しているが、自然界で40を超えると自ら、日本のクローン女性は政府指定の日本の2州へ行く。
その2州のみ、彼女らを絶対的に保護する場所であり、老衰まで生き抜くことができる。
何故か、女性のバーチャルな性のケアについては開発できないでいた。
現在の謎でもあったが、女性自体がそういう事から意識が遠ざかってしまうのも40の頃から始まるため「神の摂理」と言われている。
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「特開2045-34987」 (物語2 特許) written by eConomy UP 21.June.2009
(物語2 特許)
ある特許が出願された。
名称は「クローン女性」である。
出願人の場所には「ウイリアム・ジャパン女学院」とあり、1ヶ月後公開された。
「特開2045−34987」
名称 「クローン女性」
請求項1 自ら望むクローン女性が性的快感を得る際、その快感を増幅すると共にその快感が25歳を頂点とし、40歳まで持続させる乳首、陰核に取り付けるピアス及び該ピアスを取り付けたクローン女性。
請求項2 材料を化学式
・・・・・・・・・・
で表される請求項1記載のピアス及び該ピアスを取り付けたクローン女性。
である。
この特許出願は専門家の間で話題となった。
特許は物品並びにその製造方法に与えられるものであるが、果たして審査するスーパーコンピューターは曖昧な地位のクローン女性を「物品」と判断するか。
話題造りに企業(ウイリアム・ジャパン女学院は派遣会社)が出したものではないか。
従って、審査請求を行うのか。
もし、審査請求した場合、認められるか。認められないか。
日本国民の世論は半々である。
「認められる。」の根拠は「自らが望む」の記載があり、クローン女性の法的立場が曖昧だったこと。
「認められない」の根拠は公共良俗の規定に反する、だった。
審査を行うコンピューターにはあらゆる法、裁判所の判断、マスメディアの論調、世論の動きなどがインプットされ、そして、特許の要件を全て満たしているか、で判断される。
3ヶ月後、審査請求され、その1ヶ月後、特許された。
様々な意見が出たが、この出願はまるで壁掛けTVを扱うかの様に一切の議論なしで特許となり、ある意味、この特許から逆に法律が変わっていく不思議さを現在は持っている。
特許庁のスーパーコンピューターは世界最新の「理論武装を内蔵」した道具であって、今までその判断を覆すものがあったことがない。
ちなみに政治の表舞台、国会の2院政の1院も現在は3つのコンピューターの「合議制」によっている。
2047年10月。大きな政治的異変が起こった。
クローンを含めた全て日本住民の平均寿命は女性で100歳、男性でも90歳になっている。
しかも、それぞれが「精神的」は別にしてある意味、健康な状況である。
富の固定されたピラミッドの中で、その頂点にあるものは過去の遺産を引き継いだものであり、中間層も変わらない。
当然、貧困層にも変化は起きず、何も持たず生まれたクローンはその状況から抜け出せない。
人間の野心は様々なチャンスを掘り起こし、積み上げようと企てるが、精々、隙間産業狙いの小さなビジネスが軌道に乗り、数億ほどの金を得る企業が出来上がって、それらに対応し等量の資本が消えていく。
ビジネスチャンスなど今はほぼ存在しないと言っていい。
宇宙、深海、地中奥深くも、現状においてシミュレーション技法の画期的発達によりロケット技術は極めて安定性の高い開発が可能となり、ロボット工学の進歩で「地球」自体が次第に明らかに行き
、実際に火星程度までの遊覧旅行は1日1便ほどは富裕国では実現されていた。
最も大きな課題は科学的には、「死」の克服が大命題であったが、これはいくつかの発想が生まれ、消えていく。
老いた細胞は決して蘇らない事がネックとなり、金を持っている老人層からの資金繰りが不能で、細胞の老化を一定レベルで食い止めることは研究されているが、意識の中核、すなわち、脳の学習が積み重ねられる以上、その細胞の老化は「現在」の結論で、それに上乗せなども考えられたが基本的意識の拡散で「個」が失われる事も確認された。
将来的課題はむしろ次世代に「現状」の科学理論を継承することが最重要課題である。
後はSEXと食についてのテーマくらいしかない。
SEXは擬似的なものならどんなものでも手に入る。
ただし、その感覚・記憶は1,2時間ほどで曖昧となる仕組みとなるようされており、中毒性はない。
まず異変の一つにクローン禁止法が成立する。
さすがにこれ以上の「人口増大」は宇宙で生産されるたんぱく質、アミノ酸など主要な食料に必要な物質の需要と供給のバランスが崩れる。
その法成立前に培養されているクローンを含め、約1億7千万の「人口」を日本は有した。
女性:男性比率は実に50:1に達している。
この法改正で、富の分配は完全に停止されたと言えた。
すなわち、クローンは日本人細胞から生まれなくなり、この報酬は無くなる。
第1次法でその細胞分配は小さな労働力となり、国の再活性を目論見、1次100万ほどの値段が付いたが、国の負担では現状、カバーしきれない状況となり、今では数千円であったが、まだ現金が必要な人間は最初の気味が悪い印象をまったく無くし、数千円で自分と瓜二つの「人」を作ろうとした。
クローン生産には厳罰が同時に用意されたが、これも裏の商売となることは必然であろう。
また、法改正以前に駆け込んだ者のクローンは年齢を8歳から12歳で自然界に出され世の中の動きを4年かけて観察することになっている。(最も「躾け」やすいとされる12歳から4年引き伸ばされた事になる。)
まさに人間は全てを満たしていた。老いのみが地球上の課題として残された。
矢継ぎ早にクローン動産法が生まれる。
明らかに先の特許の影響に違いない。
「クローン動産法」はわかりやすい。
先の特許において、その内容を満たすクローン女性の売買・所有を認めた内容である。
ただし、当然の事であるが、クローン女性は元々、特許に記載されたピアスなど身に付けてはいないし、誰の所有物でもない。
先の法による経済・景気沈静化防止案の意味合いが色濃い。
すなわち、クローン女性は自ら値を付け、40以後の生活のための金を得る。
それは公により開かれる「市場」のみで可能であり、契約書もクローン、買い手、役所で保管される。
この売買は18歳から39歳までの意志あるクローン女性にだけ可能であって、契約書の内容も役所の認可が必要だった。
性的感度が高められたクローン自身の売買のため、その目的のSEXは自由であるが、旧法の名残りで妊娠は許されない。
元々、クローンは基を辿れば、血は1万に満たないと言われており、その血のルーツが定かではない事、クローンの2世、3世から起こる病的現象が想定できなかったからである。
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「特開2045-34987」 (契約 物語3) written by eConomy UP 27.June.2009
「特開2045-34987」 (契約 物語3) written by eConomy

CG by Eiji Bonda
この市場での取引1番目は出来レースである。
簡単に書くと、極めて人気の高いクローン女優のユリが、某大金持ちに2億で落札された。
ユリは38歳。32歳でこの世に生を受けた変り種である。
ただ、美貌は「その歳」で最も価値を得たと言って良く、あっという間にトップスターに躍り出た。
そして、わずか2年足らずを2億円で売ったことになる。
ユリは引っ張りだこの女優ではあったが、その年収は1000万ほどしかない。
トップ女優でもクローンには1ドラマ出演50万、1CM30万と決められていた。
彼女らには所謂、公務員的処遇しか与えられていない。
そして、結婚も未婚の母もない。40以前では金の使い道すらないのが実状で、2億はその後の生活、つまり、日本の2州で大きな家が持て、家政婦が雇える金額だが、それもギリギリのラインである。
彼女には既に約5千万ほどの貯金があったが、百歳まで暢気に生きようと考えれば、実際はそれでも足らないかもしれない。
しかし、今の日本のクローンでは最も金持ちとなった。
クローンで40以後の全ての「人生」を国からの支給を受けず暮せるかもしれない初めてが彼女だった。
彼女の市場での写真は日本人社会の中で極めてセンセーショナルな話題である。
裸体のユリの陰毛は剃り落とされ、乳首とヴァギナに銀のピアスがあり、しかも下半身(ヴァギナピアスの上)には、アルファベットと数字でA0001と無機質な印がされていた。
女性の中には顔をシカメルものも多かったが、バーチャルなSEXが大きな娯楽となっている今の現状で本当の性の玩具の様な実体としての女を見て、少しの興奮を持ったものも少なくなかったに違いない。しかも、彼女の顔は誰でも知っている。
・・・ただし、良く似た横顔は街で幾らでも見ることができるが・・・。
男性社会での反響は凄まじい。
それこそ、嘘偽りのない発情した牝奴隷なのだ。
熟れた身体の中身を曝け出す様にヴァギナのピアスを左右に拡げるユリの姿と無機質な数字は妻子持ちの旦那達にはあまりにも刺激的すぎた。
ユリの契約書も一緒に公開されている。
役所作成のものだけに余分は一切ないが、そのことが返って、ユリの境遇を明確にしている。
ユリには姓がない。
「ユリは、○下正△様にその身体の自由の一切をお任せ致します。
期限2047年12月11日より2049年10月8日まで。 金額200,000,000円
拇印 ユリ 拇印 ○下正△
管轄 東○州△宿役所 承認印
注意事項;この契約は民法×89条に照らし、履行される内容でクローンの意思が反映された上の契約である。
その他の契約事項は別紙 以上 」
他にも細かい注意事項は存在したが、妊娠、過度な暴力の禁止等であり、その内容でどこまでユリを守れるかは疑問がある。
また、別紙に何が書かれているのかも大きな興味を読むものに持たせた。
買い手は謎であったが、ユリと同じ年の男だったらしい。
従って、ユリと男は以前からこのような関係ではなかったかと推測・憶測が乱れ飛んだが、第2、第3の契約が生まれて行き、やがて人々から忘れ去られて行った。
ウィリアムジャパン女学院(株)は莫大な利益を収め始めている。
3000人を超えたクローン達に施される乳首・ヴァギナのピアスは5つ一揃えで100万円である。
当然、クローン女性達には買える金額ではない。
成功報酬、すなわち役所公認の市場で自らに値段を付けた内の100万が自動的に支払われていく。
その数は需要が増えて高値となり、その結果、このピアスを望むクローン女性は増加し続けた。
一切、行方が消えたクローンの情報は外には漏れない。
法と金の力、法は彼女らの市場以外での姿を公開することを禁じていた上、数千万、数億を投じる人間達はマスコミから完全に彼女らを隠し去ってしまう力がある。
クローン女性の志願者は日々増大していく。
特に30才過ぎのものの増大は月ごとに5倍ほどである。
集団生活が基本で、国がその39歳までの住居、食料、医療、教育等を保証していたが、最後の思い出、冒険、未知への期待、そして、40以後の金。
それらが後押しし、雪崩をうって多くのクローン女性が一線を越えて行った。
一方、若い年代も将来のための金と少しの冒険心を天秤をかけ、少しずつその数は増しつつある。
「価格」は自分で付ける。
年齢、期間、「雇用方法」・・・によって様々。
一種の奴隷売買であるが自らが認めることが必須。
クローン動産法はどちらにとっても、魅惑的で冒険心と実質を得ることのできる、魔の法とも言える。
得た金は役場が預かり、40以後の生活を満たされたものにするなどの文言があるが、あくまで法の建前であり、結果は個人の才覚で決まる。
「特開2045-34987」 (契約 物語3) NO.2 written by eConomy
集団生活には18歳以下とそれ以上、39歳までの2種類がある。
20を超えたものは自由に住居を選べるが、その資金があるものは当然、皆無に等しい。
一部のモデル、例えばユリなどは最初から仕事を始め、38歳の時には十万以上の賃貸マンションに住んでいたが、若いクローン達は基本的に「施設」を出たがらないし、出る金を持たない。
クローン女性の集団生活の中ではグループが出来、リーダーが生まれる。
彼女らには男との恋愛はないため、レスビアン関係になるものがほとんどであった。
リーダーはその痴話喧嘩、関係の仲裁を取り持てる30歳程度で器量のあるものが多い。
彼女達にとって「SEX」は施設公認の収入源でもあった。
つまり、男の観客の呼び、マジックミラーを通し、痴態を演ずる。
見学料は1000円。半分はクローンのものとなり、残り半分を施設が得た。
観客は多くて10人、クローン1人1回の収入は最大2500円程度となる。
第2,4金曜に処女の「貫通式」と言うものがあり、入場料3倍で、最初こそ人気があったが、今は様々な工夫を凝らしたショーをパートナーと行うものが増え、そちらの方が人気は高い。
飽きてしまうと入場10人に満たないショーも出始め、収入が減るため、クローン達も必死だった。
今では本格的なSMショーなども少なくない。
2週間に1回ほど自分の番が回って来る。
彼女らは出る・出ないは自由であって、金が欲しいものは頻繁に出られる仕組みになっている。
その金は街で遊ぶ金となり、こつこつと貯めるものも当然、いた。
ホステキ的仕事も同様な仕組みとなっていて、月に4,5万が彼女らの収入の全てである。
働かなくても、食料等は嗜好品以外、全て金がかからないので、4,5万でも問題はない。
そんな中で、彼女らが街に出た際、観客となった男がクローン女性に近づき、クリーン動産法の「オーナー」になると言う約束が成立する。これは社会問題となった。
いずれにしても、多くのクローン女性が将来の安定と未知への興味のため、役所への届出をクローン動産法に基づき、提出し、その増加に加速度が付いている。
「ねぇ、どうするの。」
「そうねぇ。お金も欲しいけど、あの身体に付けられるピアスや赤外線印は恥ずかしいかなぁ。」
最近、良く出る、クローン女性通しの中での会話。
「うーん、あの娘、えーと、サクラ。そう、サクラ。25から5年契約で2千万ですって。」
「聞いた。聞いたけど、あのグレーの器量良しで5年が二千万か。・・・見た。彼女の最後のここでのお風呂。」
器量良しは似たもの同士でほぼ全てと言えるが、突然、遺伝以外の要素で、目と髪の色が2,3%の割合でクローンには変異が起こる。
遺伝子の抽出場所は決定されているが、研究者の「好奇心」で選択された遺伝子は極めて少数であったが金髪なども生まれる。が、1ヶ月を持たず100%その命を落とした。
従って、目と髪の色は黒が97%、グレーが3%である。
希少価値はこの契約で、時に普通より安く、或いは高く見積られる。
「買う側」は日本的を望んだのか、サクラが「グレー」の最初だったため、「偶然の不幸」なのかは定かではない。
サクラは何故、その価格を承諾したのかも謎だが、男との付き合いがあったことも、当然、噂で出た。
拒否権のあるこの契約では「見知った男」の方が良いに決まっている。
いずれにしてもサクラの1年辺り、400万はただ同然と言えるものだった。・・・彼女の30以後の巻き返しは当然あるが。
「え、あなた見たの。」
「見たどころか、話もしたわ。」
「へぇ〜。何だって。」
「「辛かった。」それだけよ。そりゃそうよ。乳首とあそこの金のピアス。それに下腹部の印。多くの人のいる前で全部晒して、最初は5千万は堅いと役所の人が言っていたのにその半分にも満たないお金。・・・でね、背中をね。そーとなぞってみたの。」
「・・・。」
「何、その沈黙。」
「・・・ど、どうだったの。」
「だから何、その質問。・・・はぁ〜、あなたも興味があるわけね。あのピアス。」
「そりゃ、あるわよ。大金は貰えるし、もっと綺麗になれるに違いないもの。」
「綺麗」は彼女らの受ける教育から得るただ一つの価値である。
しかし、彼女らは皆、金を得る手段、教え込まれた美を求める方法が実際はわからない。
恋をすれば、男と交われば・・・、外見的にほんの少しは。内面的には劇的に変化する・・・。
彼女らの想像の範疇であるが、「女」の直感・感性で予想できた事を口にしたに過ぎない。
最も「恋」は、まったく適切な言葉とは言えないが。
「ふ、ふ。お利巧なお答えだけどだいぶ違うみたいよ。」
「何、何が違うの・・・。」
「例えば、お金。大して残らないって、サクラさん、言ってたもの。」
「でも、1千8百万以上は残るんでしょう。良いわよ。お金の話は。教えて、彼女の反応。」
「Hねぇ。せ・な・か・を・ね。そーっとなぞってみた・・・の。」
「ブツわよ。もう、今日はおわずけね。」
二人は日常以外では・・・日常でも恋人通しだった。いつも求めて来るのはサクラと接触のあった「女」。
「はい、わかりました。お教えします。旦那様。・・・SM、本当にやるの。最近の超過激みたいだけど・・・。」
また、相方の女の話がズレタため、布団をかぶって寝ようとする。
「ごめんなさい、言うわよ、言う。後でちゃんとしてよ。」
まだ、サクラの話にならないため、布団は動かない。
「背中をナゾッタの。そしたら、・・・。」
相方は身をのりだした。
「ビクッという感じで一瞬身体が硬直して、周りに3人位、その場に居たんだけど、オシッコ漏らしちゃって、その上に倒れこんじゃった。」
明らかにそれを聞いたクローンは興奮していた。坐り直して、自分のヴァギナを指で拡げる。
「舐めながら続けて。」
「ハイ。お姉さま。」
いつもの夜の関係になり、上の唇が下の唇と接触し、舌が伸びる。
「それでね。大丈夫って聞いたら、・・・。」
チュウ、チュウと愛液を吸い出しながら、女は話を続ける。
「サクラさんね。身体中が、一旦、留め金を外れたら、イクまで戻れない。って、掻き毟る様なオナニーを始めたの。」
ドロっとした液体を舌に感じた女は更に続けた。
「A01978って赤外線印が少し悲しく見えた・・・。サクラさんは翌日からもう帰らないでしょう。・・・でも、顔が火照っている感じがしていつもより、綺麗に見えたわ。」
「そう・・・。」
「どうしたの、お姉さま。すごい濡れ方。本当は私の方がお姉さま役に向いているんじゃないの。」
(サクラさんはもうどなたかに・・・。)
ユイは来週、役所にクローン動産手続きを行おうと思っている。
彼女のヴァギナを舐めている相方には内緒だった。
動機は?と聞かれたら・・・。現在の22歳から24歳までの価値、ユイの価値を自分自身で知りたい。
まだ幾つも理由はある。この2年を2000万以下で与えるつもりはない。サクラより高額で短期間。
自信はあった。漠然としているが、なんとなく。
彼女は良く街で声を掛けられる。多くの中に混じっていても、彼女目当てに。
それは当然、法で禁じられた先行きを期待するものではないが、ユイは男に取って好ましい「女」であるらしい。
一緒にお茶、酒を飲むには、多くのクローン女性の中でも彼女はベター・・・ベスト。
2年の契約後、また、この施設に戻るつもりである。そして、30まで資格を持っている「美しさについて」の教官を行い、再び、市場に戻り、今度は億以上の金を得る。40以後は夢として皆と同じだが、持ち家を得て優雅に暮らす。
彼女の「人生のビジョン」である。
ユイの知能指数はクローンの中で飛び抜けて高い・・・。
もう一つ付け加えなければならない。
確かに彼女には何か、男に頼りたい・・・簡単に言うと、男に抱かれたいと言う願望が強い。
集団の中で男が声を掛けてきた時、彼女は決まって顔をピンクに染め、下向き加減になってしまう。
そして、男は彼女を必ずと言って良いほど誘う・・・選ぶ。
男が彼女を自分のものにしたい気持ちが伝わってくる。・・・歓喜が身体を駆け巡る。
身体にピアスをしたらどうなのか。
彼女はたぶん、女が得れる最大の快楽を手にする。溺れてしまうかもしれない。
しかし、心のどこかでそれを望んでいる。
「ビジョン」の話など自分への言い訳かもしれない・・・。
翌週、ユイは相方に役所でクローン動産手続きをした事を告げる。
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