「特開2045-34987」(2045夏 後編) written by eConomy UP 12.June.2009
「特開2045-34987」 written by economy
(物語1 2045年夏 後編)
その富の裏づけは「国債」であった。
国債は債務である。
国の資産、金保有量、実際経済規模等によって、USA騒動が片付いた時、国際金融を安定させるため、国債発行の禁止及び他国にある国債を全て買い取る取り決めが国際連合で可決された。
それにより、1国内における有価証券の売買も禁止され、世界(単位)の株式市場が生まれ、その銘柄は国(名)しかない。
マイナスを背負った国は全てのマイナスが帳消し(債務凍結条約)とされ、日本同等の科学的処置により無菌化され、どのような国・地域でも、草木が生える環境さえあれば餓えは消え、病を消し去る魅力、国(地域)として独立の尊厳が保障される「制度」に、調印しない国はなかった。
そして、すぐさま小国は小型のEU類似をそれぞれ作り、経済規模を大きくすることで発言力を大きくしようと試み始める。
自国で全てを債務を「完済」した国は「株式市場」に上場でき、出来なかった国は5年の観察期間を設けることで、国としての信用はほぼ0に近い。
しかし、それ以外はまったく差別無く、国連での1票を投じることが可能であった。
新たに他国の株(国債に非常に近いが・・・。)を購入するのは国家レベルの意思が必要とされ、基本的に自由ではない。
また、世界的軍事、経済を司る国連が介入可能なため、不当目的での購入は禁止とされる。
国レベルの取引は新たな産業の牽引する国に投資されたり、近く株式市場に上がる、現状において元負債国の復興に期待した購入などで、いずれにしても莫大な金であり、個人・企業レベルでは不能である。(実際には可能であったが企業は国の株を買えない。)
当然、一般企業が大きくなり、他を圧倒し世界的に名乗りを上げる仕組みは残っているが、それは国の価値を上げることに繋がり、1国家が相当の「枠」を設け、資金面において後ろから支える。
国は企業経営にはまったく関与しない事は当然とし、破綻は防ぐ必要があるため、株式に換わる予算枠の拡張・縮小で対応し、成功報酬は国益貢献度に応じ分配され、資本主義社会継承も問題はないと言える。
つまり、世界の価格は固定され国の価格は変動する決められた枠中での変化が毎日起こる仕組みが作られた。
並列スーパーコンピューターが10台用意され、その合議制で世界経済安定がコントロールされている。
USAは内戦とも言える状態だったため、国債を乱発し、しぶしぶドル建てで買い取った日本、EU諸国のUSA国債は先の条約により国債は買い戻され、2022年後半にはそれぞれの現状国力が判明する。
USAは国債買取で他国のものを総ざらいしても、追いつかない状況だったが、金融の拠点を150年以上勤めた底力で全て清算できた。
日本の国債は国民全てに均等に分配される。
基本的には国の借金であるが、日本が信用を世界に持つ限り、それは正に「有価証券」。
・・・金に等しい。
既に国債新規発行は国会が停止させ、総額として3000兆円規模が日本国債の国際査定価格である。銀行は国債をいつでも金に代える機能が持たされ、日本は安定を得、国際社会の優等生として、また船出した。
すなわち、日本の価値は実質3000兆円であり、実際市場評価は国情によるため、その倍程度だった。
全ての国に価格が付いている。
日本は世界2位の価格であるが、1位の国から5位程度にはさほどの差はない。(実際市場評価の順はその価格に多少の変動は当然あったが・・・。)
ちなみに中国は5000兆円で1位。EUが総額で日本の10倍程度。
その中でドイツとイギリスは2500兆円で3位を分け合っている。ちなみにUSAは1500兆円、 カナダとメキシコは800兆円である。
総額約50,000兆円が世界の価値であり、これにもう変動はなく、この中でそれぞれの国は「国力」が倍になれば、その分失う国ができる。
戦争、暴動等は国際連合の軍隊が対応し、この拠出は人間一人当たり年間200円程度で当然、人口が多い国が最も支払い、USA、中国、ロシア、EU、そして日本の最先端の武器・技術を購入する。
その武器は確実に1人、或いは面積レベルで完全に人を抹殺するものである。
このため、USAは金の回収ができ、中国・ロシアなども出す分のみは帰ってくる仕組みになっていた。
地震・他の自然災害には国際連合が国の単位で危険度に応じた内容の保険に換わるものを作ったため、これも解決した。
この時期、科学技術は、ある意味、人間の欲求を全て達成した感がある。
つまり、世界を網羅できるレベルで一定以下の貧困を無くし、全人類の食料や水は他から合成できるまでとなり、その供給方法も確立していた。
牛・豚・鶏のように当然、人間のクローンも作ることも可能である。
クローンを作ることができるのは日本においては保険証所有の日本人に限られていた。
クローンは擬似人が法的立場であって、「人」とは分けられている。
この制度は様々な分野に影響を与えていく。
当然であろう。クローンには食料を要し、意志がある。
現在、日本人の資格を有するものはこの国の人口1億5千万ほどの30%しかいない。3000兆円はこの30%、5千万人が牛耳った。
一人頭、1億5千万円ほどとなる。物価の変動はほぼないため、この金額は100年前と大体同じと考えて良い。
加えれば、先の国際連合への拠出・保険は全て彼らが支払うが年間1,000円ほどの微額であり、税も彼らのみの義務であるが年間10万ほど。
後は企業などの法人が支払う。
それでも国庫には毎年約200兆円ほどが入り、医療と言う面で金がほぼ金が掛からなくなった国は投資も十分可能であり、満たされた国民が再び、銀行に戻した1000兆以上は緊急時、国自体が使用可能であった。
後の70%はクローン、そして、上記の資格すら持てなかった極貧のものでまともな教育も受けれなかった人達である。
ただし、これらのもの達も衣食住には問題はない。そして「自由」はあった。
クローンの95%までが所謂「女性」である。理由は簡単と言えた。
血が混じり、混血化した「日本人女性」は世界中で最も美しいとされ、評価は韓国共々、3位がないほど「圧倒的人気」がある。
クローンにも富とまでは言えない金を得る方法は幾らでも存在する。例えば、タレント、モデルなどが人気トップ。
ホステスなどの商売もあるにはあるが、「売春」は重罪であって表向き存在しない。
また、海外への渡航も自由だが、国籍がないため各国の保護が受けられず、無事帰ってくることはその20%に満たない。
後の80%は行方知れずとなり、自然、一定の生活があるそれぞれの国から出ようとするものは年々少なくなった。
どの国でも共通であり、次第にクローンの海外への渡航は減少する。
女性の細胞からは女性のクローンしか作れず、それは男性も同様である。そして、分娩を要しない代わりに約12歳以上の年齢から呼吸を覚える目的で自然界に出される。
(12歳の年齢に要する培養時間は約3週間ほどに調整され、細胞の添加で言語は固体差によるが多少話せ、文字を書く能力も備える。ただし、細胞の分け与えた人間の意識は当然、消し去られた。また、自然界へ出される年齢の上限は最大35歳までは認められてはいる。その場合、知識はほぼ成人女性のものと言えたが、意識の中に細胞の持ち主のものはやはり含まれない。そして、理由を要する・・・。)
そのため、実際に分娩から生まれる日本人は圧倒的に生きやすい女性が選らばれた。
限られた女性の1細胞は何もしないで一生分の金になる時も多くある。
性の産み分けは当然可能であって、現状で日本国民の男性と女性の比率は1:30程度でこれも他の国においても変わらない。
時間を得た結果だったが、クローン女性の集団的反抗は極めて少ないため各国は容認し、クローンから選挙権から奪う内容とクローンを人とし認め、虐待的行為は犯罪とし刑事事件で立件できる七色の国際条約が締結されたが、当然、全ては文化の表向きであり、裏は幾らでも存在する。
クローンの男性は極めて少ない。人口(と言えるか。)の1000分の1以下。
彼らにはクローン通し、或いは人とのSEXは認められていない。
これを行ったクローンは20年以上の懲役が科せられる。
日本人がクローンとの性行為を行った場合はその国籍を剥奪された。
つまり重罪だが、これが高値の商売になるのは裏の世界では当然である。
ただし、彼らにはそれ以上の快楽を得ることが可能なバーチャルなSEXはいつでも可能であった。
これも彼らのみの「特権」であり、それぞれがそれぞれの「特権」を有することで全ての意志あるものの均衡は保たれている。
世界中で最も多いクローン女性については多くを書かなくてはいけない。
全てが美しい。しかも似ている。彼女らが街を華やかにする。
しかし、一定年齢を超えたものは見つけられない。
彼女らの受ける日本での教育は「美しい」のみが価値がある事であり、それ以外は国語、数学などはない。
国際条約は機能しているが、自然界で40を超えると自ら、日本のクローン女性は政府指定の日本の2州へ行く。
その2州のみ、彼女らを絶対的に保護する場所であり、老衰まで生き抜くことができる。
何故か、女性のバーチャルな性のケアについては開発できないでいた。
現在の謎でもあったが、女性自体がそういう事から意識が遠ざかってしまうのも40の頃から始まるため「神の摂理」と言われている。
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