「マゾヒスト」 written by economy
「マゾヒスト」 written by economy UP.21.June.2007
救いようがない、と美紀自身が思った。
女の本質と言うべきか、それとも美紀自身の「性格」に起因するのかはわからない。
一人の男を愛した。何人目かの男。和夫は美紀に引きずられるようにサディストになっていった。
「とうとう・・・。」口に出して言ってみる。
美紀はある国で手足を切断しようとしていた。
和夫の命令ではあったが、むしろ「美紀がそう和夫を導いた。」が本当のとこかもしれない。
美紀が自分のマゾヒズムに気づいたのは、17の時、しかも、初めてのSEXの際である。
美紀は自分の容姿に自信があった。しなやかな足、白く滑らかな肌、長いストレートの黒髪、そんなものを含め、確実な自信を持っていた。
ラブホテルの一室。美紀と同じ歳の恋人だった男がベッドの前でキスをしている。美紀は処女を男に与えるためにここにいた。
そこに最初の違和感を憶える。
(そういう仕組みだもん。彼を愛しているんだし・・・。)背丈は頭一つ、男の方が高い。
女はできるだけもったいぶって、その身体を与えなければいけない。それさえ「仕組み」の一つである。
この場においては拒んでも体力で男に勝てるはずはない。そして、もし美紀の気が変わったとしても、恋人とはいえ、もう、男に行動をストップさせることはできないだろう。
長いキスの後、お互いの服を脱がし始める。わずかな平等な時だった。
若い身体が二人とも美しい。
男は女を征服しようと動き始めた。白いうなじに唇があたり、右手が美紀の左の乳房を握った時、二人はベッドに倒れる。
(私は「女」になろうとしている。無理にされるんじゃない。大好きな彼に・・・。でも、私は・・男の思うがままにされる・・・。)
両乳首を男に与え、美紀の女がそんなことを考えていた。
男は味わうかのように交互に口にする。
(アァ〜、気持ち良い。やさしく吸って。美紀の全てを舐めて・・・。)
圧倒的な力で美紀の足は大きく開かれた。
(み、見られてる。美紀のおまんこ。は、はずかしい。・・・でも、もっと見て。あなたのものよ。もっと、もっと。)
マゾヒズムとは誰も言わないだろう。美紀は征服される自分に陶酔していた。
(あなたのもの。美紀を自由にして。「痛い。」と言っても、泣いても止めないで。)
男はしなやかな足に唇を移す。
美紀の美しい形は今後も変わりはしない。しかし、娘は「女」されていく。男の手によってヴァギナが広げられた。
(見て、もっと奥まで・・・。)官能の嵐が美紀の頭に吹き荒れ、本能のみが二人を動かしている。
男が長い足を抱えるようにし、ペニスの挿入が始まった。濡れてはいるが、先端部を全て収めるには相当な時間を要する。そして、ペニスが徐々に美紀の奥にねじ込まれていった。
(い、痛い。・・・私は女にされていく。女に・・・なる。)
美紀は自室にいた。
(今日は私の生まれ変わった日。)
ベッドに横たわり考えていた。当然、今日、自分自身に起こったことについてである。
破瓜に大して痛みは伴わなかった。長い陶酔の時間を美紀はさ迷っていた。
憧れの時であり、夢に見た時間。
それを現実にした美紀の心は何かに感じた違和感に捕らわれ続けている。
(気持ちよかった・・。女の身体って不思議。心も。大きなものが私から奪われていった。あの感触・・感じ。ずっと私から離れなかった「私の何か・・・の違和感」。何だったのだろう。処女をあげることは特別なことじゃないはず。女なら誰でも・・。でも、私のは違った感触に違いない。・・これから彼の力が私の身体を自由にする。私は裸にされ、誰にも見せたことのない部分は大きく開かれ、強烈なライトの下で観賞され、そして、味わうかのように舌で、唇で刺激を受ける。女なら、最も見られたくない、そう教え込まれた場所は他愛もなく1人の男に蹂躙された。・・私はその自分が愛しくて、彼の行為のそれぞれがその感覚を増幅し、快感に変わって行く。私は女と言う「ただの穴」になり、快楽を提供することに感じていた。肌に彼の・・・男の力を感じるたび、大きな声を上げた・・。)
美紀は自分の「大切な日」について考え続けた。
(私には自由がなかった。彼の言うとおりにするだけ。だって、そうじゃない。女からなんて何もできない。・・・私は彼の・・・性欲・・・で正しいかしら。性欲を満たすための道具となって感じていた。・・私じゃなくても良かったんじゃないかしら。彼には・・・。私は愛されている。だから、あの場では私が必然、・・でも、SEXって一方的で、彼は私をまさに味わった。そして、じっと男の目で見ていた。感じている・・おもちゃのようにされて感じている、声を上げている私はぼんやりとした視界に冷静な男の目を感じた。・・・それにも、私は感じ・・・た。・・・女って、男の何?)
美紀は愛情のないSEXでも、きっと乱れてしまう自分を自覚できた。
「おもちゃ」のようにされるSEXは美紀に「女」を認識させるもの。
幼く受動的で可憐なマゾヒストが、初体験から一人生まれようとしていた。
UP 5.July.2007
美紀の「初めて」になった男は、会うたびに美紀にSEXをせがむ。
当然、美紀は断れずにいる。
断る理由もないが。
多少、体調が悪い時、生理の時も・・。
美紀は生理の際、フェラチオを覚えた。
「生理だから。」
男は美紀に優しく言った。
「じゃ、美紀の口でお願い。」
初めて男のペニスを口にする。嫌悪感はない。
むしろ、優しい道具とさえ思える。それは美紀に快楽を与える「道具」であった。
快楽は美紀の口からも押し寄せる。
口いっぱいに広がる男の味は、美紀の何がしかに響き、また「道具」の体積は呼吸を苦しくさせ、美紀の「女」を刺激し続ける。
(私の口もただの穴なの。・・・快楽を分け合っているじゃない。・・・私は穴であることに快感を得ているのかしら。好きな人への行為だからじゃないの・・・。)
男のペニスははち切れんばかりとなり、喉の奥に届く勢いで口が犯される。
男は美紀に優しい舌の動きを求めなくなり、思う存分、ヴァギナの替りを利用する。
嘔吐感が連続的に美紀を襲い、口が離れるが小さな頭はすぐ元の位置に戻され、大量の黄色い液体と唾液が口から零れ落ちた。
男は決して優しくなかったわけではない。
美紀の拒むことをしようとは考えてはいなかった。
しかし、その乱暴にもう歯止めがかけられず、ついに射精し、荒い息で美紀を見下ろしていた。
(濃厚な男の味がする。アァ〜、何これ。今、イキソウ。イ、イッチャウゥ〜。)
美紀は口から精液を垂らし、意識を失った。
美紀は男の去った自室でまたぼんやり考え事をしている。
(私って、やっぱり少し変かも・・・。・・・マゾ・・・なのかし・・・ら。でも、・・・。)
数日のち、風邪気味の美紀は男に「抱かれて」いる。
ぐったりとした不調の身体を男に与えながら、朦朧とした意識は男が美紀に与える「無遠慮」を快楽に織りなおす。
抵抗のない、しなやかで華奢な女体は男の玩具となり、意識の大半を失った表情は荒い息のみ繰り返し男に凶暴を強いていた。
美紀の知性の一部は、明らかに痛みと恥ずかしいとされることを快楽に置き替え、「女」である感性が「男」を野性化させ、肉体は快楽を深くするため、男をより体内深く取り込もうと自然に動く。
美紀は少なくても、一人の男の前では完全なマゾヒストになっていた。
しかも、男をサディストにする上質なマゾヒスト。
時は半年が過ぎ、季節は逆のものへと変わる。
美紀に特別な変化は当然ない。
彼女は自分がマゾヒストであることをただ漠然と自覚していたにすぎなかった。
男とも特別な間柄とは言えず、恋人どおしで間違いない。
男は普通のSEXを求め、美紀がそれに彩りを加える。
美紀は縄の感触、バイブから得る無機質だが永遠とも思える絶頂の連続、浣腸のむず痒く切ない排泄も知っていたが、男はストリーを作らない。
全てがその場限りの「お遊び」で終わる。
当然、美紀は不満である。しかし、何に不満なのかには気づかなかった。
誰もが思い悩む事なのだろう。すなわち、彼女も自分自身のストリーが組み立てられないでいる。
美紀は一流とは言えないが、名が知れた東京の大学に進学した。
男の方は関西の大学。
同じ大学を目指したが、美紀は志望の大学に合格し、男は落ちた。
しかし、神様の決め事のように、関西では1,2の私立に滑り込んだ。
二人は別れる運命であったに違いない。
男は美紀の元を離れる。
「少し違うんだよな。」男が美紀に最後に言った事。
美紀は遠距離でも、男が自分を求めてくると思っていたため、意外ではあったが、(そうかもしれない。)と考え直し、男の別れ言葉を「許した。」
男は美紀のマゾヒズムを最後まで理解できないで、貴重であろうものを自ら捨ててしまった。
もっとも、男には永遠に必要ないものかもしれない。
東京での美紀は多忙である。
学業はもちろんのこと、サークル活動、アルバイト・・・。
幾人もの男が、可憐な女に声をかけてくる。
だが、美紀は簡単に付き合おうとはしない。
(見つけなきゃ。私にピッタリの人。そう、・・・マゾヒズム、私のマゾ・・・私を理解してくれる男(ひと)。)
UP.3.August.2007
季節は夏を通り過ぎ、秋の彩りは色濃く、美紀のキャンパスは黄色い銀杏の葉が束で集められる頃となっていた。
(何をしているのかしら。私の求める人・・。私が必要とする人は。)
美紀はやはり女だった。待っている。ただ待っていた。そして、10日に1回以上かかる幾つかの声に、自分の確信を得ようとしている。
(どうして欲しいのかはわからない。今だけではない。ずっと・・・。そう、そんな予感を与えてくれる男(ひと)・・・。)
突然、そんな美紀に大きな不幸が見舞う。
「ハハ、キトク、スグカエレ。チチヨリ」 電報である。
今時、電報は珍しい。しかし、最初の一報を知らせたのは電報であった。夜中の1時。
電話は鳴らない。父親が母親に付きっ切りで対処の方法がなかったのかもしれない。
何かの詐欺も考えたが違うだろう。動機が説明できない。
電報を受け取り、取りあえず帰省の準備をしている美紀の携帯が着信を知らせた。
「美紀か。」第一声は間違いなく父のものである。
「お父さん、お母さんは・・・。」声がマトモに出ない。
「うん、30分前、旅立った。」(旅立った・・。死んだ、というの。)
美紀の頭が空白となり、2,3日前の母との電話の会話が聞こえ始め、やがて、会話をキッチンで片手間仕事をしながらしている母の姿が頭の中に映る。
母親は41歳、簡単に死んでいい年ではない。
「し、死んだの・・。」
しばらくの無言の時。そして抑制された父親の声が正確な事実を言った。
「母さんは死んだ。・・・病気ではない。事故だ。脳挫傷で死んだ。あっけなく・・。」
美紀は真実であると理解できた。ただ、言葉にはできない。
「美紀、落ち着いたらゆっくり帰って来なさい。そして、くれぐれも冷静に。」
電話が返事を聞かずに切れた。
母が死んだ。この現実が確定し、美紀は帰省の準備をストップする。危篤と死との隔たりのためだけではない。
(お母さん、美紀を置いて・・・死んだの。)
父親とは少しの距離があった。コンビニを経営し土地持ちの父親にふさわしく一歩下がった位置にいつも居り、年齢にしては華やかな美しさを持った母親はいなくなった。
翌日、故郷に着いた美紀が目にしたものは、抑えた紫の衣で覆われた棺の中に納められ、包帯に包まれた表情のみの母である。昨日で涙は枯れたのか、美紀の心のみが再び湿り気を持つ。
父親に別室に呼ばれた。
「母さんは昨日の夜9時、帰宅途中、トラックとの衝突事故で、車は大破しガードに再衝突し「車」は止まった。約15分後救急車に載せられたが、その時はもう息はなかった。事故の主原因はトラック側の居眠り運転でかあさんに過失はない。・・・・。」
美紀の頭に最初に過ぎった事は、「父親は愛人とすぐ再婚するだろう。」と言う事だった。
美紀の大学への仕送りは引き続き行う・・・。遠い声は事務的で冷静な父親のものである。
取り乱したのは「電報」を寄越した時だけだったかもしれない。
「・・・遺品から、好きなものを持って行きなさい。預金等もそれで良い。保険金が8千万ほど出る。学生のお前には多いが4千万は、別の口座を作りお前の管理にしておく。その通帳等もお前の・・・。」
美紀は「この世に一人」になった自分を感じた。
父親は今を分析し、美紀への配慮も問題ない。しかし、一人で生きていけ、と聞こえる。
・・・いつもの「遠い距離」を感じた。
母親の部屋に行ってみる。コンビニ関係の売り上げ・仕入れ等の管理業務をする場所、そして衣服が置かれている部屋。誰かが何かを物色した雰囲気はない。
死んだ母を待っている。そんな感じを美紀は持った。
着物・洋服のいくつか、それに合うアクセサリーを持ってきたプラスチック製の箱に入れていく。それでさえ、価値にすれば1千万を軽く超えるだろう。
婚約指輪が見つかった。1ctはありそうだ。
(これはどうしよう。これだけはお父さんに言っておこうかしら。)その考えはすぐに捨てた。
美紀は父親の愛人を知っている。いかにも男好きのする30女。その女にこの指輪をされたら堪らない。
(あの人、明日のお葬式にも来るのかしら。お通夜には顔を出していた。しかたないわね。従業員でもあるんだし・・。)
義母になるかもしれない女を美紀は思ったが、母親は全てを知って女と笑って話していた。
今でも不思議に思う。
指輪はバッグに入れて持っていこうと思い、目立つ場所へ置く。
一番下の机の引き出し。
母親の面影を探す最後の場所である。
アルバムが出てきた。少し奇異に感じる。
(何故だろう。)その理由がわかった。ここだけ、人の手が触れている。それは父親に違いない。
右に新しいものがあるはずだが、右には母の子供の頃のものがあり、最新のものは左端になっている。
母は中学・高校と男子生徒の憧れだったに違いない。
高校の写真の1枚に父親と一緒のものがあった。男子校と女子校だったと聞いたことがある。高校時代からの付き合いだったのは、その時初めて知った。
母は美しい。隣の父親の方が少し照れている感じにみえる。
短大、OL時代のものにも父親が写っていたが、今度は逆に母親の方が美貌を赤くしている。
最新のものから2冊前から結婚後であり、手前からは美紀がずーと中心にいる。
それは応接間に置かれている家族写真と同じものもあり、違った角度からのものもある。
1枚の写真が目を引く。若い母と隣に「義母」になるかもしれない女が写っていた。
(・・・手をつないでいる。)母もまだ20の後半ほどで、女は20そこそこ。妹のようにかわいがっていたくらいの意味なのか・・・。
次のページは美紀の写真でイッパイであり、その次が明らかに異常である。
貼ってあった写真が剥がされていた。それ以後は何もない。
父親が剥いだに違いない。美紀は考える。
(剥がさなければいけない写真がここにあった。・・。何なの。)
ふと、思いついた。写真はアルバムだけにあるものではなく、どこかにも置いてあるはず。
本棚に目を移す。母が好きだった詩集、小説は既にケースに納めてある。
黒い横文字の本が目に入った。(フランス語かしら。)抜き取ってみる。
その瞬間、3枚の写真が床に落ちた。1枚は表を向いている。
裸で首輪を引かれた二人の女が、1つのペニスを分け合って舐めている。
その二人とも美紀は知っていた。美紀は急ぎ3枚の写真をかき集め、その本をケースに納める。
3枚の写真は、美紀の喪服のポケットに入れられた。
母の死去から2週間経ち、美紀は3枚の写真をベッドで眺めていた。
up 16.Aug.2007
美紀は写真を眺め思っている。
(女って、男の何?)今まで何度も自分に問いかけた質問。
3枚の写真は美紀が今まで見たものの中で一番過激なものだった。
被写体の主が彼女の母と「義理の母」になるであろう女、そしてその写真の撮影者である父の身体の一部が見えるため、当然の感想と言える。
そして、自分にいつも投げる質問の答えの一つでもあったかもしれない。
父のペニスを両側から舐める首輪をした二人の女、母と和子は互いに目を合わせ、唇から長く舌を絡ませペニスの下を舐めながら上下させている。
命ぜられているのか。
互いの舌と唇でペニスを覆い重ね、ゆっくりと「愛撫」している写真である。
目を合わせている女二人から、陶酔の気配が写真からさえ匂ってきた。
(ペニス無しでは生きていけない二人の牝・・・奴隷。母は高校の時、父に女にされた。それ以後、母の「女」はきっと高校で1番の美少女の母を転げるようにペニスにしがみ付く牝に変えていく。父の憧れだった少女は「女」となり、父に所有される牝に・・・。)
実家のアルバムが思い出される。
高校の時、恥ずかしげに母の側で笑っていた父は、それ以後、確かに性で母を支配し、自分の「女」となった牝の全て自由に出来たに違いない。
そして、それを母も受け入れていた。
それが、美紀と同様の感情であったかはわからない。しかし、ほぼ同様であったことは血の繋がりから推察できる。
3枚全て母と和子が写っている。
美紀が生まれた後、母と和子は結ばれた。当然、そうではない。
母が妊娠中、父が手に入れた女が和子、だからアルバムには美紀の誕生と同じくらいの時から登場した。
華やかな母の美貌と違い、小さな顔の女は愛くるしい目鼻立ち。口も上品な作り。
母は美しい女であったが、もっと優雅な彩を有していた。
伸びやかな鼻と切れ長の目は美少女の本流とも言える。
人工的に変えられる部分、例えば髪などは二人は瓜二つである。
父の好みがそのまま牝に反映されていた。
和子の両乳首には小さな両端止めのピアスがされている。
母に無いのは、美紀を母乳で育てたせいだろうか。
その乳首を母が下から吸い、仰向きの母の左乳房が父の足で踏みつけられている写真が2枚目だった。
なんとなく美紀は感じる。
(私は望まれて生まれたの。特に父にとって・・・。牝奴隷が生んだ将来誰かの奴隷になる娘・・・。)
美紀のマゾヒズムは女をそこまで「否定」できる確信を自分の意識の中に作リ始めていた。
3枚目は美紀の将来であったのだろう。
二人の女が口移しで茶色い塊を受け渡ししている。
最初は何かわからなかった。しかし、和子の首筋辺りに付いている同様の色の流体物でそれが何かを知る。
(う・・・んこ。お父さんの・・・。和子さんの口にした・・・。)
驚くべきことがわかった美紀の身体は震えていた。
しかし、その震えは驚愕・絶望・背徳などそんなものが合わせて半分、残りの半分は得体の知れない美紀の欲望の底から押し寄せる何かだったに違いない。
写真を見ながらの下半身を掻き毟るようなオナニーで、美紀は眠りに就くまで右手の動きを止めなかった。
翌朝、美紀は朝7時に起床し、昨日のオナニーの最中思ったことを実行した。
散らばって落ちている写真の牝奴隷達にはなく、美紀にある陰毛を剃る事である。
(お母さんは奴隷で死んで行った。私もきっと・・そうなる。私は牝奴隷の娘。・・・血が流れている。お母さんの、マゾヒストの、男の奴隷・玩具の血。)
剃毛する自らの姿を映す鏡を、父のペニスを口にしている母そっくりの瞳の光を持った美紀が見つめている。
(女って何かはわからない。でも、私はどなたかの牝奴隷。全てをゆだね、性の玩具にされ、乳首にピアスをされ、お口を便器にされるような・・・お母さんのような牝奴隷。)
UP 8.Sep.2007
美紀は一人で生きていかなければならない。最大の理解者であったであろう母親を失った今、父親はその勤めを終える事を宣言するかのように、多額の金を美紀に渡した。
「好きにしろ。」と暗に言っている。
美紀にはある意味、その父親の心境も理解できるし、これからの生活で美紀を側に置きたくないサディストの知恵がわかった。
母親同様、最大期間美紀の観察者であった父は母親の血を濃く引く美紀がわずらわしいに違いない。
美紀は総額で約7千万円以上の金を受け取る。と同時に一人となった。
取り合えず、住所を今の場所から変更する。今までの生活から決別したい。東京近郊の小さな都市に中古だが、広いマンションを見つけ、引っ越した。
ちょうど3千万の買い物。3階建ての最上階の隅にある3LDK。大手不動産屋が倒産会社の裁判所公示で入手したもので、築5年の割と綺麗な物件である。街並みも悪くない。
美紀は学生であったが、一括現金払いの客として優遇され、小難しい手続きも全て会社がその信用で取り計らってくれた。
その金額が2千7百万を少し超え、残りは家具など調度品の購入費用である。
美紀は父に最後の願いを申し出た。
「母の衣服、家具等を下記に送ってください。住所は・・・。」
引越しとは記していない。
ただし、居所は最も近い「肉親」には伝えたことになる。
しかし、美紀に「新しい母」ができたとしても伝えられないだろう。
やがて、何の手紙も同封されない荷物のみが送られてきた。それを一部屋に片付けながら美紀は泣いた。
(本当に一人ぼっち・・・。)
そのマンションには12畳ほどに匹敵するリビングがある。
鉄筋コンクリート建ての隅の隅にあたるリビングは、約200度の視界が開けていた。
美紀はそこが自身が「牝奴隷」になる場所だと考えている。
美貌と施設とを有した将来「牝奴隷」の相手への基準は自然と高まった。
大学は3年目を迎えたが、美紀に触れれた男はまだいない。
美紀は「母の部屋」とリビングで自分に対する「調教」を一人で始めていた。
「母の部屋」では、3枚の写真から想像できる状況から、最も「主人」が喜ぶであろう美紀が考える体位となり、言葉を実際に発してみる。
最後は写真の姿勢になって、実際にはないものに対し、口を上下に動かし、舌を回す。
何故か、母のネグリジェを全身にまとったヴァギナを引き裂くような自慰がフィニッシュになってしまう。
リビングでは、素っ裸に赤い首輪をし、広い空間を這い回る。
中央に身体を横たえ、鞭で自分自身を紫のミミズ腫れができるほど打ちのめす。
性器を直撃した鞭に「グギャ〜。」と獣のような声を上げ、桃源郷をさ迷った。
美紀は今年21となる。
母の血が二十歳を超え確実に凝縮し、誰のものでもない完全なマゾヒストを完成しかけている。
UP 12.Sep.2007
突然の機会は、その夏に訪れた。
男の名は勇人。30歳のサラリーマンである。
客観的に見、勇人の容貌と経済力は美紀にふさわしくない。
美紀が卒論の支度を始めていた時、望んだゼミの教授に言われて行った出版社に勇人は勤めていた。経済の安月給の記者。妻帯者であったが、美紀に無遠慮に近づいてきた。
美紀はお茶に誘われる。断る理由はない。これから卒論のテーマを一緒に考えてくれる人間である。
勇人は美紀の手首の赤い痕を見逃さない。
ノースリーブでも良いこの季節、長袖を着ている美紀に何かあるのは、記者の感で気がついた。
(悪い遊びをしているな。ふ、ふ、こんな優美な娘が困ったもんだ。)
その痕が、ボールペンで書き物をしている美紀の白い腕から眩しい。
美紀はまったく気にしていない。
美紀自身は自分が誰かの奴隷であり、その誰かを探している。待っていた時間が長すぎた。
勇人は運が良かったのか、悪かったのか、美紀を簡単に手に入れることができた。
その筋書きはこうである。
「手首の痕は何かの悪戯?」冗談めかして勇人が美紀に尋ねる。
「そうですね。悪戯とはちょっと違うかもしれませんが。」
美紀が堂々と答える。
何故か、ここまで気づいた男も大抵の場合、この美紀の対応に遠ざかってしまう。
その自信を含んだ声は、男を遠ざけてしまうのか。
美紀自身が実際の社会と触れる機会が少なすぎたため、狼の素質を秘めた人間も近づき難かったのかは良くわからない。
一対一の男女は急速に接近する。
美紀は本物のマゾヒスト。勇人は本物まがいのサディストだったのかもしれない。
「ふ〜ん、悪戯ではないのか。」「・・・。」
美紀は勇人を見ながら考えている。
(私のご主人様かしら。・・違う気がする。・・でも、雰囲気はあるわ。別に自由にされても良い。それでしか本当の事がわからないのなら・・。)
「じゃ、何なの?そういうことが好きなわけ。それとも、君にとてつもない背景がいるとか。」
勇人が最も心配していることを聞いた。
美紀ほどの女が、堂々と「縛られた」痕に対応できる訳は後者である場合が大きいのではないかと・・・。
近づく男は殺される、あるいは同等の報復を受ける・・くらい。
「どうでしょう。それはあなたが考えることです。」
美紀は、それにはどうでも良いという音容で答えた。
(抱きたい。・・・自由にできるなら全て捨てても良い。)
勇人の最終決断。それはやがて、そのとおりになる。
「美紀はあなた様の奴隷です。って言ってみな。」
美紀の待ちに待った言葉である。美紀のスイッチがオンとなり、瞳が妖しい光を放ち始める。
「・・・み・・き・・は、あなた・・さまの・・ど・・れいです。」
「よし、良く言った。じゃ、こんな場所では無粋すぎる。お前のようなマゾ女は徹底的に躾ないとな。」
場所は都内のモーテルに移る。
美紀は思い描いた自分を演出し始めていた。部屋に入るなり、服を脱ぎ始める。
いつも、自宅のリビングでいる様に4つ足となり、夢を実現させるため、勇人の靴に挨拶のキスを何度もし、舌で舐めまわす。
勇人は目を丸くしてその光景を眺めている。と同時に2年以上磨かれ、男に触れられていない光る肌に完璧な美しい獣の本性を見た。
「美紀、お前は奴隷なんてもんじゃないな。そう、男の玩具になるために生まれてきた畜生か。ここも綺麗に剃り上げ見上げた女だな。」
勇人は4つ足の美紀のヴァギナと口に手を添え言った。
「左様です。美紀は奴隷以下の畜生でございます。ご主人様のおっしゃる事に逆らうことなど決してございません。どのようにでも・・・。」
勇人は正に有頂天となった。
(こんな良い女が自由にできる。何でもしていいと言っている。)
あぁもしよう。こうもしよう、と考える内容は家にいる妻に対する遊びのようなSMではない。
もう、美紀の背景など大した問題ではなかった。思いの全て遂げる最高のマテリアル。
それが美紀であり、目の前にいる。
「美紀、そこの絨毯に付いた染み。お前の下の口が吐き出した汚物だ。綺麗に舐め取れ。」
安モーテルの絨毯はそれなりのもので、染みなど腐るほどある。美紀には勇人がどれを指して言っているのかわからなかったが、最も大きい染みに長く舌を伸ばす。
(完全なマゾヒスト。命ぜられる事にNoはない男の玩具。何ができて、何ができないのか、こっちがわからなくなっていく。・・・できないことなどないんじゃないか。)
美紀は勇人より後に二人の支配者を得る。その次の男は勇人のようなことは考えない本当のサディスト。そして、最後が美紀が選んだ男である。
美紀は取り合えず、自らのマゾヒストの資質を自分に、勇人に問いかけ始めた。
「美紀、無様な牝奴隷・牝犬ぶりだ。これからどんどん教えてやる。お前は一体何かをな。」
「ご主人様、どうぞよろしくお願いいたします。」
絨毯から口を一旦外して言ったのち、再び舌を戻した。
ヌラと湿った柔らかそうな舌が不潔な絨毯の上を滑らかに走りまわる。
「美紀、冷房の利きが悪いな。服を脱がせてくれ。その後は全身の汗をその舌で拭い取ってくれ。」
「ご主人様、畏まりました。」
裸でベッドに転がった勇人を確認し、美紀が静々とそのベッドの後部側から這い上がった。
「ご主人様、では、美紀の汚い口で御身体を汚します。ご勘弁くださいませ。」
美紀は三つ指をつき、頭をベッドにこすり付け言った。美紀の口が汚いはずはない。
勇人はその唇を吸う事をまだしていなかった事を後悔するぐらいだ。
勇人の足は夏の事で、蒸れた濃い匂いを放っている。
美紀は男の足を久しぶりに両手で顔面に持ってきた。匂いが綺麗に伸びた鼻線から、脳に響く。
(あぁ、男性の臭い。この臭いは私が求めていた香りで間違いないわ。足の指・・裏からの方が・・。)
美紀は顔に近づけていた左足の親指を口にすっぽりと含み、口内で舌を動かす。
「見えないな。お前の美しい顔、ピンクの舌が汚れた指を舐めている様子が見たいんだ。」
それに反応した美紀はすぐ、口から指を離し、舌全体で足の横側に這わせる。
時間をかけ3度ほど往復した後、再び指の間の一番垢で臭いを放つ部分を勇人を見つめながら、舌をゆっくりだが確実にその垢を口内に入れる様を見せた。
(そうか。マゾヒストって言うのは・・・つまり、こういう女なのか。)
勇人はある種の感動さえ覚える。
結局、足の裏が最後となり、唾液でイッパイにした時にはもう30分以上経っていた。
美紀は自分自身で行う調教の中で唾液を大量に保つ方法は、結局自分が水分を取る以外方法はない事を知っていたため1リットル近い水を先に飲んでいる。
舌は足全体、身体、腕と進み、手の指になる。当然、ペニスは一番後に残されていた。
勇人は手を顔の側に近づける。必然で美紀の美貌が恍惚の表情で近寄った。 切れ長の目は何を見ているのか潤んでおり、顔全体も弛緩している。
勇人が舌を出した。
美紀はそれにはすぐ気づき、舌を巻きつける。
甘い口を勇人は初めて味わう。
「ハァ、ハァ。」美紀の呼吸は荒い。
「美紀、ほら最後の場所だ。しっかり舐めろよ。俺の足を持ち上げて尻の穴の奥までな。・・・最後に喉が渇いただろう。聖水をやるから、しっかりと咥えろ。」
最後の内容は、美紀が拒むかも知れないと考え、一瞬躊躇したが、美紀の答えは最初の宣言どおりであった。・・・どのようにでも・・・。
「ご主人様、ありがたく頂きます。どうぞ、美紀の口を便器にご使用ください。」
ペニスは最大限の硬度で美紀の口を迎え入れた。細い指とピンクの舌と唇は、もう技と言える動きを示し、最大の快楽へと導く。
ものの3分も必要なく射精が起こる。
勇人は言葉を発する暇さえ与えられなかった。
美紀の顔は濃い精液に汚され、やがて跳ね返り勇人の下半身に落ちたもの、美紀自身が奉仕を続けているため再び勇人の陰毛にまで染み込んだものも美紀の舌で掬い取られた。
足が持ち上げられ、勇人の肛門に美紀の舌がピッタリと付く。
「ペロ、ペロ、チュ〜。」
尻の割れ目の最初から、睾丸まで舌が大きく往復する。
勇人は再び勃起した。可憐な舌は勇人の肛門の奥まで潜り込もうと動く。
(う、何て気持ち良いんだ。)
命令など美紀には何も必要なく、最も男の望むことを順次行っていく。
勇人は直接ペニスへの刺激なしで射精した。何年ぶりの事かは覚えていない。
美紀は持ち上げた足の硬直でそれに気づいた。
ヘソ付近に落下した精液を啜る。
「ズル、ズル。」
美しい女の淫らな光景にまた、勇人は勃起しそうになる。
「美紀、掃除が終われば、便器になれ。」
「はい、ご主人様。」
勇人は何度も行かされ続ける事を多少不愉快に思い言った言葉に美紀は満面の笑みで答えた。
放尿はあっけなく美紀がペニスを咥え、直接飲み干し片付く。
「美紀、下で獣の姿勢で次の命令を待っていろ。」
勇人は美紀の玩具のようになっている自分を情けなく思い、タバコに手をかけた。
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