「あなた色」 No.4 by economy up 9.Mar.2006
「あなた色」 ending story by economy up 9.Mar.2006
春は確実に訪れ、幸恵と智之も満開の桜の下でK高の入学式を迎えた。
幾つかの試練と呼べるものが、幸恵には在ったのか、それは幸恵にさえわからない。もしかしたら、智之には少しのみ、わかっていたかもしれない。
K高は、1学年8クラスあり、1年時から理系と文系にわかれる。当然、2年以後の変更は自由であり、男女の入り混じるクラス構成となっていた。
幸恵は文系、智之は理系のため別々のクラスとなった。どちらのクラスでも「幸恵」と「智之」は、今年の「有名人」であり名前が時々聞ける。
幸恵は憂いを持った美少女に変わり、ノーブルな顔立ちと色白の肌、少しの笑みの翳りは全校男子の「憧れ」と言っても差しさわりがない。
当然、智之もトップ入学であり、容貌も伴い女子生徒の目が集中する。
しかし、幸恵と智之の(恋人)関係は、すぐに広まり、ベストカップルは羨望と少しの距離が置かれ、周囲から見つめられる様になった。
ある金曜日の午後4時、幸恵は自分のヴァギナを舐めていた。そのオナニーは当然、智之の部屋の彼の目の前で行われている。絨毯に座った幸恵の左足は、自分自身の両手が垂直に支え、女の部分に幸恵自身の舌が割り込み、激しく動いている。
幸恵は奴隷であって、智之が幸恵の全てを支配してからは、極日常的な光景と言える行為だった。
幸恵の舌はアナル付近まで近づく。
男が小さく命じた。「よく見えるように、ベッドに。」
もう、智之の言葉には、何も遠慮・躊躇いは含まない。女の呼吸は少しだけ乱れていたが、すぐに、その姿勢を元に戻し男のいるベッドに近づく。
その幸恵の動きにも、躊躇いなどは見られない。
男の下半身は、既に何も身につけておらず、女は男のペニスに挨拶のキスと舌を一度、下から上に走らせ、男の伸ばした足の太もも付近に頭を置いた。
反対側にある女の下半身が持ち上げられ、自分で両足を掴み、女は身体を二重にしようとする。容易に意図した形となり、女の開いた足の中心部にその口が触れ、舌を出しベロベロと自らのヴァギナを舐めまくる。
男の指がヴァギナを少し広げた。ピンクの花弁を、女は男が確認できる様に舐め続けている。
いつか、幸恵が思った「奇妙な生き物」の行為、そのものであった。
学校では「羨望の的」は、智之の前では、奴隷、そして、「奇妙な生き物」であることを甘受する。
「小便を飲んでみな。」いつも、智之が幸恵の排尿・便を「管理」しているため、幸恵にはいつも排泄の欲求がある。
零さぬ様に尿道口にピッタリと口を付け、ごくり、ごくりと飲んでいく。
自らの口をトイレに使った後の幸恵に智之が聞いた。「いつもと比較しどうだ。」「はい、当然、智之様のオシッコの方がおいしいです。」
幸恵は日常的に智之の小水を口にするまでになっているから、この答えは奴隷女の言葉として筋が通っている。
幸恵の足が元に戻され、智之の手がその乳房を弄ぶ。
「これは誰のものだ。」「はい、全て智之様のものでございます。」(これ)は当然、乳房と言う意味ではない。そして、幸恵の身体を指す言葉でさえなかった。(これ)は幸恵の存在そのものを指したもの。
「あなた色」が、幸恵の存在を智之に与えると言う意味だけなら、もう、その「色」に幸恵は染まっていた。
智之には、「SM」と言う言葉に抵抗を覚える。今の二人の関係が、その範疇のものか、いつも考えていた。それは、「プレイ」と言う空疎なものが、後に続く言葉にあるせいかもしれない。
幸恵の想いが、智之の願望に一致すること。「あなた色」は「プレイ」であるはずがなく、ましては「契約」でもなく、「愛情」を「日常」で行う、そして、示す事であるはずだった。
up 11.May.2006
智之は幸恵を、初めは快楽の道具にしようと考えていた。
それは、幸恵が智之に想いを抱いた少女でしかなかった頃。
少女に渡した日記帳に「あなた色」を書き加えた後から、考えが少し変わった。
(「快楽」なんて、もう、何時でも、何処でも手に入る。) ただ、知っているか、知らないかだけの事。そして、知っていると条件は等しい。
(次はどうすればいい・・・つまらない世の中に生まれたものだ。僕はどうなる。官僚、議員・・。全部、僕には可能。そんな方面は、夢ではない。・・もっと何か・・。)
15のあまりに優秀な智之の考えは、当時の状態の結果、数理の問題の回答としては間違いがない。ただ、少年は神ではない。
彼は自分がただの人であることを認識する能力を有していたし、人の弱さを既に知りかけていた。
つまり、迷い。迷いは疑問となり、悩みに変質する。どんな人も倒れかけてしまうのはこの時。
少年はその事を知っているがため、「普通」より大きな苦悩を得るだろう。 それが2、3年後だとして、その苦悩を経験することで、彼が「不十分」な人になってしまうことから逃れる事になる。
彼は当時も今も、「不安定」を感じている。故に、乗り切る方法を考える。 乗り切れれば良い。
彼の巨大であろう苦悩は、10年で通り過ぎるか、20年か、・・それとも一生。
それを知っている少年は、目の前の様々な「餌」には喰い付かなかった。本当の「不安定」の到来を待つために余計は必要ない。
「不安定」は当然、少女にも訪れる。ただ、彼女は「少年」を得た。少女は少年にしがみ付いた。
彼女は自分が「女」であることを、既に知っていたため、容易にそれができる。別に、不思議でも、理不尽でもない。もし、それを否定できる人がいれば、極めてオメデタイか、身の程知らず。そして、女性(人間)を買被りすぎている。
もう一度書く。少女は自分が「女」であることを知ってる分、賢明であり素直だった。
少女に起こる未来の傾斜は、少年無しでは倒れてしまうもの。
少年は更に考えている。「不安定」は別に一人以外でも、対処できる。もう一人、自分と同時に時間を過ごす人間がいて邪魔であろうはずがない。それは、少年にとって、同レベルの同性が良かったはずだった。・・得たものは、彼にしがみ付いた苦悩の到来を認識できる少女。
「あなた色」・・女には課題であり、男には彼が自分自身と戦う準備期間を彩る色。
二人が一緒に生きるためのテーマ。
幸恵は、智之の女であることを、一時も忘れない。智之は幸恵を支配することから、両者は不合理からの安らぎを得る。女はいつも確かさを求める。どんな、抽象的対象に関しても。
少女は少年の「奴隷」であることを望んだ。
全てを与えれば、もう誰にも何も取られる事はない。
少年は、ゆっくりとした時間の中で、冷静に少女が変わる様を見ている。そして、時に、少年が牡になる時のみ、少女が牝になる刹那も。
いつしか、少女は少年の前では、美しい人形になっていた。少年は少女を愛している。それも、少女が少年を想う以上に。
少年と少女の言い方はもう止めていいだろう。二人は18になろうとしている。
女のイヤリングは、2つで男のイニシャル。そして、右の乳房、右の尻にも赤い洒落た永遠に消えない筆記体のイニシャルが施されている。
今日は、三度、赤いイニシャルが少女の身体に付けられる日。それは、半年ごとに増えていく。
女は右足のみを片手で垂直に上げる。ゆっくりとその足は、女の頭の側に固定された。女の身体の柔らかさはそこまで達している。
ヴァギナが拡がりすぎて、インクを入れる部分が平面にならない。
「足は立てて固定。」男の言葉に女が従う。平面が得られ、先に細いマジックでイニシャルを記する。インクのついた針は、5,6度、その上を正確になぞる。女は「横たわった」まま、目を瞑っていた。女の心は平静。何を命ぜられても、この平静は、今の女にはある。
「こんなものかな。」男は3度目でもう慣れた作業の終わりを告げた。少し湿ったタオルでヴァギナは拭かれ、次に乾いたタオルが女の柔らかさを知る。
「自分で確認しろ。」「ハイ。智之様。」女は目を開け、足を下ろす。上半身を持ち上げ、女の部分を見た。今までも、確かな「仕事」だったが、今回はそれ以上に鮮やかな赤で女に男のイニシャルが残されている。
「完璧だな。」男が先に評した。「ハイ、もう少しです。」女の最後の言葉は、当然、今回のイニシャルの事ではない。
「自分の舌で。」「ハイ。」答えた3秒後には、もうヴァギナを舐めていた。
最近はあまりなかったが、男が女をベッドに引き上げる。女は直ぐに、足を広げた4つ足で、イニシャル全てが男の目に入る様に、身体を捻じ曲げた。
up 4.June.2006
幸恵は、その身体と心の所有者に、その証明であるイニシャルの3箇所の彫り物を見せている。
女の目は、時に男との位置関係を確認し、そして、男の顔を見る。
(良い女になったものだ。美しさ、気品、・・・奴隷。私にとってかけがえのない人間。)智之の幸恵への今の評価である。
18となり、大学受験の準備に二人は入っている。
智之、幸恵とも国立の大学。智之は医学部、幸恵は史学が希望だった。
人気がある分、合格確率はそれぞれ低く出たが、智之はほぼ確実。幸恵も同じ大学の文系も学科によるが「間違いない」と言って良い。
幸恵は、今、ベッドの上で智之に右の尻のイニシャルから、肛門、ヴァギナの新しいイニシャルを曝している。
真っ白な均整のとれた女体は、この3年間、幸恵自身が智之のために完成させたものだった。
智之は3つのイニシャルを入れることで、その永遠の所有権を主張し、幸恵も許容している。
智之がペニスを挿入した。その場所にも彼のイニシャルがある。
男が腰を動かし始めるとともに、女も腰を近づける、遠ざける方向に揺すった。
「パン、パン。」と激しい音と共に、女の口が喜びを叫び始める。「アァ〜、トモユキサマァ〜、イィ〜。」
その営みは、男の気まぐれと女の正直さが重なり合い、いつも、女は自らのヴァギナがペニスを咥え込んでいることへの配慮が必要だった。
男は時に、ペニスを抜いてしまい、女の違う「愛撫」を求める。口にペニスを含むこともあれば、アナルが求められることもある。
女は、その気まぐれのために、男の部屋に来る際は、浣腸で直腸を洗浄する。
その排便を、男に見せたことがあるが、そのニオイに男が言った。「お前には似合わない。」今は幸恵にその意味がわかる。
智之は、幸恵に気品を求めた。当然、今、智之の気が変われば、目の前で排便をしなくてはならないが。
「アァ〜、イ、イゥ〜、イク〜。」今日は、智之は素直に幸恵をヴァギナのみでイカせた。
直ぐに、その口が、ペニスに近づき咥える。
精液を吸い取るために、手も添えられ、あらゆる刺激がペニス周辺に与えられる。男の手が乳房を揉みしだく。
やがて、精液は女の口に放出され、一滴残らず、幸恵の身体の中に入った。
智之と幸恵がベッドに並んで寝ている。
幸恵は常に智之の表情を見、智之はその顔を見返したり、白い身体のあらゆる感触を楽しみながら、考え事をするように目は瞑っていた。
「もうすぐ、受験だな。」切れ長の美しい目と合い、智之が言った。
「はい、智之様。」男はまた目を瞑り考え込んでいる。
「必要か。」「はい、二人が同じ大学に入った時、必ず・・。」
幸恵が智之に唯一つ要求した。それも1年前。幸恵は人形であることより、奴隷という「人」の立場を智之に求めた。全てを与える代償に、あなた色で一生あるために、そして、二人は常に同じ道を歩いている証明として。
それは、ある意味、簡単だった。
幸恵の左手のくすり指を切断すること。そして、それを智之が一生、身体から離さないこと、つまり、食べることである。
幸恵には、智之からの指輪は必要なかった。
4月の終わり、同じキャンパスに二人がいた。
幸恵の左手に包帯が巻かれてある。
「あなた色」は、完結した。
幸恵の満面の笑顔とそれに並ぶ智之の何か気恥ずかしそうな顔は、二人がそれぞれの「あなた色」であった。
「完」
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